歯科業界で生き残るための経営の考え方って何?

デンタル機器

歯科業界の現状とは

戦後1969年(昭和44年)、厚生労働省が歯科医師人口の増加を狙って、大学に歯学部を増設しました。これによって多くの歯科医師の免許を取得した人材が増え、今では独立開業し個人で経営するところも珍しくありません。

一方、歯科医師人口は、年々と増加し続ける中、都心部に医院が集中したり地方には1つも歯科医院がなかったり、地域によって歯科医院の数に偏りがみられています。また、歯科医師人口が増え個人で経営することも多く、歯科業界は今、患者の奪い合いで激しい競争がすすんでいます。

このような、現在の歯科医師過剰問題から、需要と供給のバランスが取れていないことを日本歯学系学会協議会の方から問題視されています。

歯科医院の経営ついて

歯科医師の増加に伴う歯科医院が数多く設置されています。

競合他社が増えることは、必然的に患者の訪れる機会が減り、その分経営も難しくなることを意味します。需要と供給のバランスが崩れていると問題視されている歯科業界において、通常の営業では利益を上げながら経営していくことが難しいと言えるでしょう。

そこで、通常の治療業務にプラスして、競合他社と差別化できるよう、サービスにも力を入れている歯科医院は増えているようです。

また、患者としては適切な歯科医院を探せられるため喜ばしい話ですが、歯科医師は、今後の経営存続について十分に考えていかなければなりません。

そこで、生き残りをかけた経営戦略として、M&A(エムアンドエー:Mergers and Acquisitions)が行われている歯科医院も増えています。

歯科医師の活躍しているところ

独立開業でも活躍できる可能性はありますが、現在は大多数の歯科医師が、個人で経営しており、競争率も高いため、競合他社差別化できない限り、歯科医師としての活躍が困難と言えます。そこで歯科医師として開業医以外に活躍できる場所を2つ挙げます。

病院

個人経営している歯科医院とは対照的に、病院に勤務する歯科医師。特に大学病院での臨床試験や食べ物を噛む、飲み込む機能の回復を図るリハビリテーションなどで活躍が期待できます。

教育機関

歯科知識を学ぶために大学に通いますが、そうした学生を教える側は、歯科医師。このことから、大学で教鞭をとったりセミナーを開いたり、新しい歯科治療の研究にも従事できます。また、歯科医院で扱われている機器開発メーカーで、利便性のある機械の開発に携わることも可能です。

歯科医師の今後について

歯科医師人口の増加によって、歯科医師の活躍の場は少なくなっている現状と言えるでしょう。文部科学省から歯科医の「職業魅力の低下」も懸念されているように、歯科医師の専門性が減少傾向にあるのではと思います。

しかしながら、医院だけにとどまらず、歯科知識を求める一般企業も多いため、歯科医師を目指す方は、将来のビジョンを明確にしましょう。